はの字栽培さんから質問を頂きました。
「茎の太さを均等に太くするにはどうしたらよいのでしょうか?」
でしたね。
への字稲作の肝心な所ですのでじっくりと書いてみます。
下の比較した写真を見てください
分かりやすいようにペットボトルを置いてみました。
窪地(への字稲作) 隣(慣行稲作 元肥え一発)

写真はサムネイルです クリックで大きくなります。
隣は2日遅れで植えたコシヒカリです。
茎の太さが全く違って 別な品種のように見えるのが分かりますか。
最近当ブログに来られた方の為に
への字稲作の復習をしてみると
通常の稲作は 田植えの頃に元肥をやって
最初から葉色を上げて初期の分げつをガンガン稼ぎ
元肥が切れてくる頃 分げつが増えすぎないように
中干しをして茎数の調整をします。
穂が出てくる少し前に穂肥をやって
また葉色を上げていくのでしたね。
(元肥え一発肥料はコーティングして時間差で穂肥が効いてくるようになっている)
V字型に葉色が変化するのでV字稲作と呼んでいます。
一方 への字稲作は
元肥なしの無肥料で出発し
出穂45日前に窒素肥料をどさっと効かし
中期から葉色を上げていき 分げつもこの頃から増やします
後はなだらかに肥効が醒めていきながら収穫を迎えます。
への字型に葉色が変化するからへの字稲作でしたね。
もうひとつ大事な事は への字稲作は疎埴薄植えを基本とします。
それで なぜ への字稲作にすると茎が太くなったかですが
6月に
分げつの増え方と言う記事を書きましたが
その写真をもう一度出してみます。

4 5 6葉の分げつは細く 7葉は太い分げつが出ています。
この後 9葉まで分げつ芽が出てきましたが全て太い分げつです。
4葉が分げつにならなかったのは 元肥をやってなかったからです。
太い分げつになって行く7葉が出始める頃に
への字追肥をやっていました。
葉齢を書き込んだ記事つまり初期の細い分げつが出る頃はなるべく寂しくしておいて
後半の7葉以降 太い分げつにつながる出葉の頃 がんがん稼ぐわけです。
V字稲作の場合は 初期の4葉から分げつを稼いでいますから
茎が太らずに分げつを出していきます。
画面上方 V字稲作 下方 への字稲作
6月1日の記事
分げつを出しているから茎が太る暇がなく また細い分げつが出てしまいます。
後半の7葉以降の分げつは 元肥が切れて葉色が落ちていますし
中干しをしていますので かなり制限されてしまいます。
一株の植えこみ本数の多い株では 4葉の分げつはほとんど死んでしまい
無効茎となってしまいます。
40本近くまで増えた分げつが 穂を付けてみたら20数本になるのはこのせいです。
さて太い茎ばかりに仕上がって 無効茎もほとんど出すことなく
一株25~30本くらいで順調よく来た への字稲作ですが
登熟期を迎えて 稔実歩合がどこまで上がるかで収量が決まるでしょう。
これは このブログ読み続けるしかないね。